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気付けばハマる、そこは沼。劇団☆新感線を中心にお芝居について好き勝手書き連ねる場所。

観たいもの全部乗せで重量オーバー【天號星東京初日】

祝・初日!!!!!!!!

キャスティング発表の段階でお祭り騒ぎだった天號星、フォロワーさんのおかげで初日の混乱を浴びることができました……

いろいろあってめちゃくちゃ日にちが経ってしまったし、ストーリーとかキャラとかの話はなんもないし、考察もレポもくそもない、とりあえず初日を観たという感想ぶつ切り殴り書き!



初日!!!!!!!

初日の開演前ってさあ……まだ誰もこの作品を観たことが無いんだよね……(当たり前体操)

席について、セットが見えてて、だけど今から何が起こるか誰も知らないんですよ。
しょうもねぇ(褒めてる)一度しか出番のない座布団芸にあんなに笑いが起こるんですよお。
幕間にフォロワーと衝撃をわかちあっても、2幕でどうなるか誰も知らないんだよお〜〜〜

初日、楽し〜〜〜!!!!!

平成偽義経ぶり2度目の初日だったんですけど、ほんとこの日にしか味わえない「知らねえ」を全力で楽しみました。

でもなんていうか、脚本家のヘキとか過去のセリフとかで気が散って、ストーリーはちょっとあの、すいません次回の宿題ってことで……


終演直後の感覚としては観たいものぜんぶ観せられた、っていうかまあ確かにそうなんだけど、それよりも「やりたいこと全部やりやがった」のほうが近い。

中島かずき、大好きな必殺シリーズと大好きな早乙女太一を掛け合わせただけでは飽き足らず、人智の及ばない力、本物と偽物、下町の"おまえたち"、強い女の意地、"一段と早くなる"殺陣に主従の絆……「かずきが大好きなやつ」ぜんぶ詰め込んできたから笑っちゃった。

義経あたりから毎回「遺作か??!!?!」って言ってるけど、いつもただやりたいことを好きなように書いてるだけなんだなってそろそろ分かってきました。やりたい放題じゃん……(いいぞもっとやれ)

「ここが……書きたかったんやな……わかるで……」というシーンがポロポロ出てきて、客席でニコニコしてる脚本家の顔が浮かんだ。サンボさんの最期とかアレめちゃくちゃ楽しんで書いてそうだよね!すきやぞ!!!


劇団朱雀 新感線公演「天號星」

それ朱雀で観たやつ!!!!」って10回は言ったんですけど、かずきとひでのりは劇団朱雀のこと好きになりすぎでしょ……その太一さんのボケも、顔も、江頭も、その兄弟殺陣もその構成もそのゆっくんの立ち位置と背中も、ぜんぶ朱雀で観た。

でも実際はどれも「新感線でしか観られないやつ」なんだよな……最たるものが殺陣でしょ、兄弟殺陣。ねえ監督いい仕事しすぎです!!!最高!!!!!!

剣舞じゃないんだよ、そう、剣舞じゃないんだよお、殺陣なの。しかもきっと兄弟の手癖じゃ出てこない太刀筋の殺陣じゃん???朱雀では観られない、新感線でしか観られない、兄弟が本気で「殺し合う」殺陣なんだよ。最高かよ。

舞台中央で刀を合わせる剣舞じゃなくて、回る盆舞台で障害物を避けながら、刺さった刀を引っこ抜きながら、動きながら、あのスピードとあの呼吸で殺し合うんですよ、最高かよ。

朱雀の唯一無二の兄弟殺陣を新感線のチャンバラに輸入したときの「正解」がそこにあったんですよ。そのふたつが出会わなければ生まれないモノを観たんですよ。

あの最後の兄弟殺陣だけで元が取れ……いや嘘だな、元本はキャスティングで既に保証されているし、1幕ラストがやばすぎるので。あの、いや、ずるくないですか?あまりにも衝撃だったのでちょっと見出し挟みます。


あまりにもずるいタイトルコール

序盤でタイトル出なかったから、これはまた幕間の直前に出るやつか……味をしめたな……って思ってたよ、思ってたけど、思ってたけどさあ、兄弟の刀合わせシルエットだとは思ってないじゃないですか。頭の中パーン!って真っ白になったし、脳内でFire Bird流れ始めたし、1幕のいろんな感想はぜんぶ吹き飛んだし、そのまま幕間入られたら笑うしかなかった。

あんなの、あんなの、ずるい以外の何物でもない……ドーパミンをドパドパ溢れさせることしか出来ない……

衝撃で全ての感想と思考を消失したわたしの幕間の第一声「……朱雀じゃん?!??!?!」です。



続・劇団朱雀 新感線公演「天號星」

1幕終わりで充分「朱雀じゃん?」って思ったけど、2幕始まったら、みさきの歌をバックにいぶきの棒術が始まって、あれはやっぱり朱雀じゃないですか???

殺陣だけじゃなくてソロの武術も曲と合わせてエンタメにできることを学んでしまった新感線、どんどん表現の幅を広げていて底恐ろしいな…と思いました。褒めてます。


RXシリーズ、つまりミュージカルじゃないほうの新感線の歌はさあ、(自己紹介パートの歌は置いといて)情景として挟まれてる挿入歌の後ろに、わりといつも「人々」の姿があったんですよね……無界の住人がのんびり過ごしてるとか、新銭に喜ぶ町人が踊るとか、銅山掘ってるとか、稲刈ってるとか、漁師が踊るとか……それが、たったひとりの武術で歌の背景を埋められるようになっちゃった。

ステアラ、隈取りに続いてまた新しい演出を輸入して自分のものとして融合してしまったいのうえひでのり、まだまだアイデア尽きてなくてさすが新感線の主宰だなって……


殺陣がさあ、良い

アクションチーム〜〜〜〜!!!!最高!!!

兄弟殺陣さあ、ほんとあの「殺し合い」が最高すぎるってのは何回言ってもいいですからね。


あと太一さんの殺陣が「熟練の殺し屋」「素人」「下手なりに必死」「ちょっとサマになってきた」「俺強いけど何か文句ある?」「そこそこの遣い手に育ちました」ってストーリーの段階を踏んで身体の使い方が変わっていくのまじで最高だなって思いました。

ほんとすごいなって思ったのが、朝吉に鍛えられた後の太一半兵衛、サマになってるけど斬りかかるときに微妙にちょっと腰が引けてるんだよね…ほんと……そんなこと何でできるんだよ……

あと突然本来の身体に戻ってきた銀次、剣の腕の変化がわかるように全オタクが好きな首だけで避けるやつやるじゃん。太一さんのレパートリーにその避け方あんまり無さそうだなって思って見てた。あのひと流れるように身体動かすから、首の最小稼働じゃなくて腰か膝かの最小可動で避けそう。知らんけど。

今年の朱雀で「身体の使い方を考える」って受容体を獲得したの、ほんとうに観劇が豊かになったな…たのしい…


今回は身体が動くひとが多いから殺陣もバリエーションが多くてとてもいいよねえ。太一さん、ゆっくん、千尋ちゃん、監督、武田さん、藤家さん、川島さん……
ちょっと目白押しであんまりちゃんと追えてないので次回ちゃんと観る!!!

こまけェことは置いといてどんどん行くよ。次からは手癖のキャスト別感想!


キャスト別言いたい放題

古田新太

かわいい!つよい!かっこいい!
んだけど、なんかこう、若い者たちを見守りながら繋いでいく「パパ感」が果てしなく出てた。
主役だけど主演じゃなかったからかなあ。ずっと舞台上に半兵衛は居るのに、半分以上古田新太いないんだもんな。なんでだよ??

私は長屋のメンバーに「いいってことよ」って良い顔してる半兵衛が死ぬほどすきだったので、かずき&ひでのりと解釈一致でしあわせだなと思いました。

「みんなが思う古田新太要素」が半兵衛オリジナル、「みんなが思う早乙女太一要素」が銀次オリジナルで、交換した結果「俺たちが観たい古田新太」と「俺たちが観たい早乙女太一」になったじゃないですか。

俺たちが観たい古田新太、確かにそこにあったけど他のインパクトでちゃんと向き合えなかったので次回ちゃんと観ます。


早乙女太一

観てる途中は「朱雀じゃん?」だったけど、終わったら「髑髏城か???」だったよ。早乙女太一、髑髏城の主要3役を網羅してしまう勢い。

だってえ、2幕ラストであの追われて囲まれた構図からの口上だよ。百人斬り始まるんかと思ったよね……めちゃくちゃ笛吹くし(台詞の合間にも吹くの笑っちゃったよ)、しかも「いい調子だなあ」とか言い出すんだもん。月髑髏はそのひと蘭兵衛じゃないんよ。

とにかく殺陣の上達段階の変遷が素晴らしかったけど、半兵衛のときのシルエット、頭が前に落ちて背中がまるくて、脚を閉じずにぽてぽて走る後ろ姿が完全に古田新太なの、ほんとうに愛おしくなっちゃうよね……

太一さんは普通のレポ部分でいっぱい言及したから畳みます。


早乙女友貴

オイシイ役すぎて笑った。かずきの中のゆっくんってもしかして「あんまり出てこないのにオイシイとこ全部持ってくひと」なんか?????

キャラ造形としてはちょっと物足りないですよ。ゆっくん、いつも誰かの「対」として出てくるから、誰かありきの役所ばっかりで、ちゃんとアテガキしてほしい、とずっと言ってたんですけどね、今ふと思った。もしかしてキャラ的にかずきの手癖に合いすぎてる説無い???動かしやすくて便利にオイシく使われてる説……それはそれでイイな……

だってずるいじゃん。過去もよくわからんライバル、半兵衛の師匠になって1幕ラストを飾り、トンと出てこなくなったと思ったら敵の掃討を静かに見守ってからラストバトル飾るなんてさ……

あとなんか銀次との過去喋ってる時にワカ天魔王か???みたいなセリフが聞こえた気がしたけど気のせい?戯曲は次までには読めないだろうからライビュまでに…なんとか…読みたい…


ゲネの写真と初日しか見てないけど、すでに傷の位置が全然変わってたので、あのひとまたメイク芸やる恐れあるかなと思って戦々恐々としちゃう。(思い出される偽義経千秋楽)

控室の鏡にメイクの見本なのか自分の顔写真貼ってるのニコニコしてしまったのと、パンダのガーゼ手拭いシリーズはカラバリ持ってるんだな、と思ってこっちもニコニコしてしまいました。サンキュー太一さん。朱雀でもあんだけ一緒だったはずなのに、今回兄に余裕があるからか、弟のオフショが死ぬほど出てくる。


ちなみにバイトはまだ見つけられてません。顔隠れてりゃ出れそうなもんだけどなあ。


時間がねえんだわ

ちょっとさあ、他にも色々書きたかったのに、私にとっての「次」がもう今日なんですよ。だから残りは箇条書きのメモだけ残します。

  • メタルさんの羽織紐パツパツで大好き
  • 師師さんのキャラ気に入ってたんだな…かずきなのかひでのりなのかわからんけど…(戯曲本読んでないので)
  • みさきといぶきめちゃくちゃ良かった。詳しい感想は次でちゃんと書くね。弁天も含めて女性陣がまじでキャラ立ってて本当に良かった。
  • 偽物と本物については永遠のテーマなんかな…入れ替わった中身と身体もそうだし、娘たちもそうだし、半兵衛の身分もそうだし…もうちょっと…咀嚼しないと書けないけど…
  • 池田成志が「俺たちの頼りになる池田成志」でもう本当にありがとうございます。
  • 裏切った瞬間のサンボさんがイキイキと輝きすぎていて爆笑したし、また頭脳労働の話しはじめてお腹捩れた。そうそうそうそうそれが観たかったんよ!!!
  • 病み上がりで髪振り乱して飛び出してくるお伊勢姐さんが好きすぎて惚れた。キッチリ筋を通す姐さんかっこいいよ。
  • どこの大工だったかわすれちゃって戯曲本パラっと見たけど地名入ってなくない???次…次ちゃんと覚えて調べる…あにさの戦鎌もちゃんと存在するやつだったから大工も存在するやつだと思うんだよな…
  • 客席走らせすぎでしょ???村木さんのぜい六なんか、出ハケぜんぶ客席じゃない???どうかみんな最後まで怪我しないで……


ストーリーとキャラについてはまだ咀嚼してなくてなんも書けてないけど、とりあえず初日を浴びた自分の覚え書きはなんとか書き残せたので、諸々はそのうちあらためて書きたいと思います。東京は2階ばっかりなので、舞台も殺陣もよく見えるけど客降り多すぎて通路は全く見えないので大阪に期待。


ということで2度目のMILANO-Zaは太一さん誕生日公演です。おめでとうございます!