あまりにも楽しかった「蒼天を駆る」が終わってしまいました。喪失感でいっぱいのまま日常の生活に戻っているわけですが、気分は全く日常に戻れていません。
周りに土日勢が多かったから芝居の感想をあんまり書かないように過ごしているうちに細かい変更やら揺らぎやら色々起きて感想が渋滞しているし、舞踊はまじでいろんな角度から被弾したので書き残しておきたい……
ちなみにネタバレを控えた1本目のエントリはこれ
「蒼天を駆る」シーン別感想覚え書き
血風も刀刃もまじで全シーン書けるレベルで感想が渋滞している。日替わり要素は無かったのに、日々の揺らぎとか、ちょっとしたミスやトラブルで偶発的に生まれた最高シーンとかがたくさんあったので、感想っていうより半分くらいは記録かもしれない。結構エントリ書いてきたけどシーン別の感想書くの初めてだよ。
大衆演劇らしい(とビギナーのわたしが感じている)「相手の呼吸に合わせて臨機応変に対話しながら物語が進んでいく」みたいなところは少なくて、ふつうに台詞も動きも決まっている商業演劇っぽい感じのお芝居だったけど、物語としても役者の芝居としてもすごく面白かったんだよな。
登場人物がみんなちゃんと「当時を生きているひとたち」だったのがほんとに、ほんとうにいい芝居だった。終わっちゃってさみしすぎて、超大作の感想メモをしたためてしまいました……
役名の漢字がわからんので間違っていたらすみません。あと、めちゃくちゃ長くてあんま読み返してないから誤脱字や間違いがあったらほんとすいません……
寺:幕開け
いきなり大迫力の立ち回りから始まるのすごい好き!わたしはBRATS公演を見たことがない(喧嘩花のみ)けど、たぶんこれが「BRATSらしさ」なんだろうな〜〜〜と思いながらニコニコ観てた。のりさんの平九郎が2回転んで、弥右衛門の桃さんが「何だこいつ」って目線送りながら通り過ぎたりして、立ち回りの中にキャラがしっかり練り込まれているのがいいなあ。
ゆっくん源吾のビジュアルは、脚をかっぴろげ(最高!!!!)た大胆な立ち回りも含めて完全に風髑髏の捨之介でしたね……みんな地下足袋(暁人さんの立ち回りは裸足)なのに紙吹雪降ってくるまでひとりずっと下駄なの、まじで最後まで釘付けだったな。
兄弟の悪巧みを聞いている時に源吾が肩に刀を担いでいて、その刀の柄のお尻に引っ掛けた小指がすきすぎてめちゃくちゃオペラしてしまってすみませんでした。
3人の登場のハンチョウが気持ちいいんだけど、わたしずっと、暁人さんの吉五郎だけ「名乗り」が無いのがすごく残念だったんですよね。でももしかしてあのひとだけは名乗らなくても「かぶける」から、わざわざ名乗らんでもええんか……と気が付いたのは8日になってからでした。ずるい……
源吾は龍、弥右衛門が獅子、吉五郎が虎を、それぞれ着物に背負っているのもすごく好きポイントです。手がつけられない奴らすぎる。
場転:オープニング
テーマソングの後ろでみんながニコニコしながら舞台転換していくの、いつ観てもいいんだよなあ!(ワカドクロの無界の里が出来ていく様子が大好きなオタクなので……)
歌詞聞き取るの下手くそマンなので、テーマソングの配信か歌詞がほしい。フォロワーのおかげで熊さんの七之助が「戻れない道をゆく」のは把握しました。構成天才か?
ライトがあんまり干渉しない前方席に入れたときは、暗闇の中でお店に入ってきた吉・石・源吾が、ちゃんと案内されて、源吾が「へぇ……」って店を見回してから座るのが見えた。それ、もっと明るいとこで演って……!?
店:喧嘩馬鹿〜店仕舞い
ここすごい「すき」が詰まってる場で、どっから書いたらいいのか全然わからん!!!
早乙女友貴のゆび
ちょっとこれはまず言っとかなきゃいけないやつなので……
源吾はたいてい客席に背中を向けているわけですが、わたしのすきな「物を掴んでいる早乙女友貴のゆび」を浴び放題の場だったんですよね……常にお猪口と刀を掴んでいる両手……
芝居の話をしろってな。
序盤は源吾の人となりがあんまり掴めてなかったんですけど、なんか終演していまエントリを書きながらすごい解像度が上がってきていて、わたし観てる間はほんと脳が溶けてたんだなって自覚しているところです。すきな骨格がすきな動きをしてるのを観てると他に何にも入ってこなくなっちゃってダメだな……
仲間たちを亡くして、あんな悲しい思いをもう二度としなくていいように、思い入れを作らないように、親しくなりすぎないように、壁を作って何事にも興味がないように振る舞って、誰かから自分への興味は「そんな資格がないから」とのらりくらりと躱しながら、それでもお香さんとおとっつぁんを守りたくて、そばを離れられずにずるずると生きてきた風来坊。
この時点でもう愛おしくってしょうがないよな……
お香さんに「男がいる」って話はまだ普通に聞いてるのに「女を作って出ていっちまう」って誤情報には不本意な「へえ……」が出て、「まだ待ってんのかい?」には期待が混じってるの、まじでこの一瞬の会話の流れの中に漂う微妙なニュアンスめっちゃすきだった。
そして「よっ」で挙げる手と「おかげさまでな」で机につく手がほんとにすき。造形がすきすぎてほんと気が散る!!!!!!(ほめてる)
お香さんとの会話で、ちょっと距離がありながらも親しげで、お互いを揶揄いながら冗談を言い合いながら育ってきたんだろうなっていう関係性が透けて見えてすごい良い。腕の立つ源吾に対して1ミリも引かないお香さんがすごく強くて良い。
吉五郎と弥右衛門
こちらも初日はいまいち関係性が見えづらかったふたりが、日を追うごとに信頼と軽口とのバランスが良くなっていって……弥右衛門が店でドタバタしてるのを見かねた吉五郎が奥の座敷の人たちにそっと奢ってあげてて、そんな細かい芝居してんの……?!って気がついたのは公演中頃でした。
弥右衛門が佐吉に「すーぐこれだもん」って言われてるのが、お互いを良く知ってる感じがすごい出てる。あの空気感だいすき。今回まじで真鍋さんの器用さに惚れ惚れしちゃうな。
アンバランスで凸凹なふたりに見えるけど、きっとかつて「鬼」と呼ばれたヤンチャな吉五郎は、弥右衛門と一緒にたくさん馬鹿やってたんだろうな……
喧嘩場で出会ったふたりが意気投合して無茶を支え合ううちに義兄弟の契りを結ぶまでの過去編、どこで観られますか?????
春樹おとっつぁん(名前出てないよね……)が吉五郎に「ダメなんだよなぁ」って笑う言い方もすごいグッとくるんですけど、代貸なんて立場なのに、尊敬ってよりは町のひとたちに愛されてる吉五郎の人となりがよくわかるよね。
そんなふうに喧嘩を止める側にいるはずが、ひさしぶりにヤンチャして「鬼」になって、一緒に暴れたふたりがふたりとも去ってしまって、ラストでひとり「仏」に戻る吉五郎……ウッッッ
佐吉とおよし
基本的に真鍋さんの佐吉と愛羅ちゃんのおよしがめっちゃすきで、特にこのシーンすごい観ちゃう!!!
ふたりは源吾のこともよく知ってるから、なにも知らない弥右衛門がお香さんのことを話してる間「あーあ……」って表情で顔を見合わせているのがかわいい。
おとっつぁんが吉五郎を呼び止めて呑みはじめたとき、戻ってきた佐吉がちょいと手元をのぞいてにっこりして、そっと机と椅子を片付けて、ちょんちょんって前掛けを2回叩いてお辞儀して下がっていくの、なんかめちゃくちゃ好きでめちゃくちゃ見ました。あの時代あの店にほんとうに生きている感じがして……
ふたりで店を継ぐって……もしかしてここもアナザーストーリー出ますか?
お香さん
気が強くて肝が据わったお香さんめっっっちゃすき!オフになると突然ふわふわのゆるゆるになっちゃうふみさん最高ですよね……
「あの人が帰ってきたって……!」ってめちゃくちゃ嬉しそうに駆け込んでくるのがほんとさあ……そういうとこやねんて……ほんと最高だなこの夫婦。
吉五郎の「良い!」を聞いた源吾の台詞は、この夫婦なら絶対「どこが?」が良いなと思ってたから、途中で変わって嬉しかったです。
かつては真面目でいい男だった源吾との「昔から仲が良かった」エピソードはどこへ行ったら見られますか?????
道:久保田創ッッッッッ
開幕たった1週間前に突然参加表明して芝居出て附け打って群舞ほぼぜんぶ出て完璧に踊って口上まで作ってる働きすぎ職人が客席登場したら沸くに決まってんですよ。こちとら久保田創の誕生日も祝っとるんやぞ!!!(早乙女友貴FCイベントにて)
あの一瞬のために落とす手首を持って登場する創さん、ラスト2日になって突然、本物の手で客席に登場して笑いました。隼人くんとぶつかったタイミングで手を挿げ替えるようになってた。上達……したんか……?
いくら月の無い夜だとは言え、あんだけ堂々と投げ捨てた刀袋の回収を忘れるの、隼人くんがめちゃくちゃ刀袋のそばに膝をつくので「君の落ち度では?!」と心配になってしまう日々でした。
長屋:およしと仙太郎(刀刃)
漢字が合っているのかどうかはわかりません……
刀刃にしか出てこない大樹くんの仙太郎さん!!!腹を切る覚悟を決める瞬間、手拭いをギュッと強く強く握りしめた手が微かに震えていて、わたしに鮮烈な印象を残した仙太郎さん……
そして本当に健気で可愛いすぎるおよしちゃん……
このシーンの空気だけはちょっと大衆芝居っぽい感じがした。お互いのタイミングとか呼吸とかで細かい台詞の運びが毎回違っていく感じ。
計算された間だからこその良さもあるけど、その日の声の調子とか強さとか、そういうのをお互いに目を見て感じ取って、その場で「生きている会話」が生み出されるのはやっぱり大衆芝居の良さなんだろうなあってぼんやり思いました。(ビギナーすぎてわからん)
店:辻斬りの証拠(血風)
「金があればな」「ほい」「はい」「ばか」の空気感が、ものすごく大好き。あんなささやかなシーンで、弥右衛門が懐に入ってる感じと、なんだかんだ言いながらお香が源吾を追い出さない感じが出てるもんなあ。
騒がしい平九郎を諌める七之助からは、ふたりの関係性というか、家臣に恵まれなかった三吉家のことを思うなどしました。
七之助以外に頼りになる家臣がいたら、ああはならなかったんだろうなって。馬鹿な平九郎のこともきっとあの兄はずっと可愛いがっていて、刀に魅入られる前は笑顔に溢れた平和な家だったんだろうって……
だって高岩さんの源三郎(名前自信ない)もしっかり家臣に慕われてるんだもん。弥右衛門に刺されたあと、家臣たちが駆け寄ろうとするもん。辻斬りをしてても、慕われるだけの積み重ねがあったひとなんだよ……しあわせな三吉家の過去編は……どこに……
一方でおとっつぁんが覚悟決める場面では源吾の目線の動きがねえ〜〜〜もう好きで好きで……
「お前に言いたいことは山ほどあるが」って言われていつもの小言だと思ってふいって目を逸らすのに、そのあとの様子が変で訝しげに目線を戻して、「守ってくれ」には頷かないけど、珍しくまっすぐ目を見ているから、きっとあれは「わかった」と同じだよ……
早乙女友貴による繊細な感情表現をたらふく浴びる蒼天、ほんとよかったよな!!!!!
夜の店:告白
わりと賑やかでテンポよく進んでいく蒼天の中で、吉五郎とお香さんが静かに語る場面がすごく良い「静」の時間だったなあと思います。
吉五郎が町を出なきゃいけない理由があんまり分かってないんだけど、「金を積んでも手放すはずがない」源三郎から刀を手に入れるために、盗むか奪うか、とにかくなんか危ない手を使って、この町=三吉の家の領地から逃げるってことなのかなあ。
仙太郎さんたちのために、自分の立場も暮らしも投げ捨てて助けてあげようとしたのかなあ。詳しい情報がないけど、吉五郎さんならやりかねないよね。優しいから……
そんな暮らしに身を落とすのに、ついてきて欲しいって言えたのは、いつも「気付かれずに終わる」ような吉五郎さんのこれまでからすると、ほんとにお香さんのことを好いていたんだなと感じられる。
そんな一世一代の告白に「やる」って言いながら割り込む源吾はさあ……天邪鬼すぎるよお……
この「やる」の言い方に結構揺らぎがあって毎回楽しみだったんですよね。怒ったみたいに強めに言う日もあれば、敢えてやわらかく諭すみたいに言う日もあって……
夜の店:辻斬りの被害
おとっつぁんの訃報を持って駆け込んでくる佐吉が、店に飛び込んでまず水場の方に目を向ける細かい芝居がすきです。いつもお香さんはそっちにいるはずだもんね。ほんと、こういうちいさな仕草に「当時を生きていたひとたちの物語」を感じられて蒼天めちゃ良い芝居だったと思います!!!
この場でめちゃ良いのは源三郎が刀に手をかけた瞬間、源吾と吉五郎が素早く反撃の体勢を取っているところです。しぬほど好き!!!!!
源吾は相手の視界に入っているからあんまり大きくは動けなくて、しかもどうせ刀を抜かないから、右手で着物をギュッと掴んで裾を上げて、いつでも大きく踏み込めるようにしてる。源三郎がしゃがんだときにはちょっとだけ身体の角度を変えて、一歩でお香との間に刀を割り込ませられる間合いを作ってるんですよお……こまけえ……
吉五郎はぱっと懐に手を突っ込むので、ああああそこに懐剣持ってるんですねえ〜〜〜???!?!?!という気付きに血が滾りました。持ってるよなあ、そりゃあ、得物くらい………
しかも源三郎(と平九郎)の死角に回り込みながら、佐吉に「下がってろ」と指示を出していてほんとうに好き。どこまでが演出でどこから本人の采配?!!?!まじであの時代を生きる頼もしい代貸の姿でありすぎる……
そんなふたりに挟まれた源三郎さん、詰め寄る源吾に刀を向けた瞬間の台詞だけめちゃくちゃ殺気があるのに、その前後の「額が足りんか?」「生憎今晩は予定があってな」が日に日に柔らかくなっていくもんだから、「かつては真面目だった殿」の解像度が爆上がりした。
あと泣き崩れるお香さんの泣きの演技がうますぎてびびる。うるさくないし後ろの会話も邪魔しないのに、間違いなくずっと泣いてんだよな……
縋りついた手にべっとり血がついて息を飲んで、唇をわなわな震わせながら泣きに泣いて、回らない頭で嘘ついて、呆然と刀袋を取りに走るお香さん。たったひとりの親を拷問で亡くしたことがあるひと……?!と思った。なんでこのひとが素になるとあんなふわふわになるんだ……(演技も素もほめてる)
このシーン長いし見どころ多いし大変だな……まだあるよ!!!
仇討ちを止める源吾の「あんたはそれで良いのかい」の返事です。なんかねえ、千穐楽だけ手が白くなるくらい着物を握りしめて間を置いて「ああ」って低く答えたんですよお。なに……全然良くないじゃん……知ってたけど……
2階:弥右衛門と七之助の宅飲み
場転の間に2階使うのめっちゃいいよね。座椅子で死んでる腰を捻るのでダメージは増えましたが……
日替わりアドリブで「1より2の方が多い……♪」とるんるんで酒を飲む弥右衛門が良すぎて最高シーンだった。「喧嘩馬鹿だが無鉄砲じゃない」の絶妙な塩梅の解像度がすごい。ずっとニコニコしてる素直な弥右衛門、桃さんの作り出す雰囲気にめっちゃ合っててすごいよかった〜!!!
ここで語られる、身分も立場も超えた「友」という存在、お馬鹿な家臣と狂ってしまった兄との間で、並び立つ相手の居ない七之助にとってどんなに貴重だったか、計り知れないよね。
血風は源吾、刀刃は吉五郎がメインであんまり本筋の真ん中にはいない弥右衛門だけど、七之助とのこの関係が最後までとてつもない文脈を生み出すじゃないですか。ずるいよな!!!
三吉家:お香の啖呵
お香の登場により、前段が「宅飲み」だったことが明らかになるシーン。飲みに行こうぜ!はまだわかるけど、三吉のお屋敷に押しかけて飲みまくる弥右衛門、他人の懐に入るのがうますぎである。
刀を向けられるおふみさんが刀に怯えて顔を背ける様子が上手すぎて驚いたシーンでもある。刀を突きつけられたことがあるひと…?!(ほめてます)
このシーン、血風と刀刃で続くシーンの数が違うから背景幕の位置が違って、三吉の家臣たちが捌けていく方向も逆になるんだけど、流れは全く同じだから演じる方はめちゃむずいだろうなって思った。
長屋:刀袋の行方(刀刃)
吉五郎の葛藤、お香さんが捕まる前からすでに「辻斬りの犯人を捕まえるために刀袋が必要」な空気だったから……ほんとはもうちょっと「お香さんのために帰参を諦めて欲しい」の構造がハッキリしてる流れだとよかったな。とは思う。
吉五郎の土下座、めちゃくちゃ身を削っていて大好きなので……
ここ、仙太郎の「武士の誇りを売ったのです」をものすごくぽつりと落とすように言うからぎゅってなる。そんなことないよお……せんたろ……
駆け込んでくる佐吉も好きよ。店に駆け込んでくるときも、吉五郎探しにくるときも、ちゃんと草履を脱いで全力で駆けてきてくれる佐吉……
家:説得
もう、ほんと、最高すぎる感情の応酬!!!暁人さんの感情の高まりに呼応するみたいにゆっくんの演技も変わって、ふたりがつくるピンと張った緊張感がたまらなく好きだった。
「抜け!」で全身総毛立つくらいの気迫を見せた吉五郎が、抜けない源吾を見て説得の姿勢に入って、そこからどんどん感情が高まってって、目を潤ませて「俺じゃだめなんだ!」って叫ぶのほんとうにやばい。(語彙の消失)
源吾はねえ、消えそうな声の「やめろ」とか、魂が抜けたみたいな「ぜんぶ、おわってた…」とか、声にならない「できるわけねぇじゃねぇか…!」とか、ここが弱々しければ弱々しいほど刺さりました。
俯いている源吾の目が「人斬り源吾!」って呼ばれてちょっとだけ見開かれるの、前方席でしか見えないご褒美みたいな芝居だったな……
そんな源吾の弱さもぜんぶ、わかったうえでお香さんは待ってんだよね……その弱音を言ってくれないのを寂しいと思いながら、ずっと待ってんだよね……そんなお香さんが上手の袖からふたりの会話をじっと見つめているのを見つけてしまったわたしはもう耐えられませんでした。めっちゃメタな感想でアレだけど、源吾の肩を掴む吉五郎の向こうにお香さんの真剣な眼差しが見えたあのアングル、一生わすれたくない……
千穐楽に向けて暁人さんの感情の盛り上がりがほんと、すごくて。源吾に言い募るあの感情の昂りが、過去を聞くにつれて、源吾の感情が激しく揺れるのと反対に凪いで慈しみの心に変わっていって、そっと源吾の脚に置いていくはずの刀袋を、千穐楽だけ手に握らせるの、ほんとうに、ずるくないですか?!
源吾のほうもあそこの一連の台詞変えたことないのに、千穐楽だけ感情が爆発してちょっと台詞変わってくんの、なんなんですか?!(すき)
ちなみに刀刃でちゃんと玄関で草履を脱ぐ吉五郎さん、ちゃんとしてんな……と思ってたんだけど、アレは誰の家なんですか?源吾の家?
2階:来るかなあ
愛すべきお馬鹿が腕に丸印付けるのほんと愛おしいよね。お香ちゃんの命と、友との約束と、酒の奢り、ぜんぶ同列に並べて叶えようとするまっすぐな弥右衛門、ほんとうに愛おしいよ。
来たぞ来たぞ!って太鼓打ち鳴らすのが見えると、大立ち回りに向けたワクワクが高まっていく。
西庵寺裏:大立ち回り-源吾
あの会話を全部聞いていたお香さんに向けて「もう大丈夫だからよ」って言ってんの、もうだめだった。そもそも刀を抜けないの、お香さんも知ってんだね……
そんな感動もぜんぶ吹っ飛ぶ馬鹿の量の紙吹雪。めっちゃ飛んで面割るタイミングとめっちゃピッタリで天才の構図にテンションがぶち上がる。その紙吹雪の中で周りを牽制しながらソッと下駄を脱ぐ源吾めちゃ好き。その脱いだ下駄の行方を追えた試しがないんですけど、蹴り飛ばしてんのかな。
立ち居振る舞いで言うと、花道で右に重心を置いた立ち姿の左脚がつま先重心なところにいつも心臓を掴まれていました。刀袋を掴むゆびは言わずもがな……
移動の多い総がかりの立ち回りを見るのはひさしぶりだったので目が忙しくてしあわせでした。脚運びのオタクは遠慮なく着物の裾を割って立ち回る足元が丸見えで死んでしまった。あと、水を口に含んでから毒霧まで「避ける」も入れるとたぶん11手あると思うんだけど、酸素供給どうなってんだよ。
西庵寺裏:大立ち回り-吉五郎
お支度替えからの大迫力の見得が、もう、あまりにも最高すぎる!!!!!!!!突然音が消えて見得がはじまるの、大衆版大江戸喧嘩花の「どすこい」と同じ大興奮でした。脳が焼き切れてしまうよ。
しかも桟敷席だと後ろにふたつのライトを背負った逆光のシルエットがもう天才すぎて……!!!むりになっちゃう。
あと蒼天・ベスト・ハプニング賞なんですけど、懐に襷を仕込み忘れてきたらしい暁人さんが、見得の土台になってる隼人くんの襷を一切何の躊躇いもなく解いて奪ったの、まじで最高演出すぎて後世に語り継ぎたいトラブルでした。ありがとうございました……
ゆっくんの爆速低姿勢殺陣とはジャンルの違う、歌舞伎みたいな様式美を取り入れた立ち回り、わたし、ほんと、めっっっっっっちゃ好きなんですよ……
お支度替えてるのは「仏の吉五郎」じゃなくて「鬼の吉五郎」になってんのかな〜と思いながら見ていましたが、まじで軽やかに飛び跳ねながら目線ひとつで圧倒してしまう強さ。通路沿いに座ったときに吉五郎の牽制の構えが真横で、旦那に守られた町人のきもちになった。頼りになるおひとだよ、あの方は……って語り継ぎたい。
あとこっちも蒼天・ベスト・ハプニング賞ノミネートなんですけど、客席に降りる直前に刀を最前列に落としてしまった吉五郎が、素手のまんま立ち回って、素手のまんま気迫だけで牽制しながら客席に降りて、真鍋さんが刀を回収して構えて、吉五郎の気迫にビビって刀を床に手放すっていう最高リカバリーが生まれていてナイスすぎました!!!
真鍋さんと暁人さんだけお支度替えがあるんだよな、蒼天……(大樹さんもかな?)
西庵寺裏:お香奪還
ド・悪役の源三郎がお香の顎に手をかけるとき、ひたすら優しいゆびさきなのが刺さって抜けない。壊れ物に触るかのごとくソッ……と指を添えるんですよね。真面目で優しい兄上ッッッッッ!
このシーンのお香は凄みも良いし、撃たれた源吾に駆け寄ろうとして刀に怯えるあの姿勢もとても良い。お香さんに視線が吸い寄せられる日々。
ここへ飛び込んでくる弥右衛門がさあ〜〜〜……
「やっちゃった」って刀落とすってことは、分かってんじゃん、やっちゃダメだったって。もう誤魔化し効かないって、分かってる反応じゃん……「馬鹿だけど無鉄砲じゃない」「負けそうになったら逃げもする」弥右衛門が、ここが腕の見せ所だって逃げずに逃がすんじゃん。それは、ここが命の捨て所じゃんッッッッッ(どうしても城がよぎるオタク)
弥右衛門、いとおしいよお〜!
必死に止める吉五郎と、やわらかく微笑んで再会を願う源吾がまた……
源吾は乗り越えたんだよなあ。「誰かを守るために誰かが死ぬ」「斬った自分が生きることを選ぶ」という人生を、お香さんのために乗り越えたから、あそこで笑えるんだよ。
逆に吉五郎は仁義を手放して土下座してお香さんの幸せを守ることを選び、そのうえ兄弟まで失うんだよ。つらい……
あとこれはまじで単なる覚え書きすぎるけど……お香奪還後の立ち回り、源吾は左腕を撃たれているので腕を庇って使わずに立ち回るのでいつもと違う動きですごく見応えがあるんですけど、花道で蹴り飛ばすところがめっちゃ好きでした。
西庵寺裏:大立ち回り-弥右衛門
弥右衛門の真骨頂〜〜〜!!!
いつもちょっと猫背で丸くなってる人懐こい弥右衛門が、覚悟決めて両手広げて、でも心から楽しそうな顔で堂々と立ってるのまじで存在がデッッッカくてすき。
だってこのひと、鬼の吉五郎と兄弟分なんですもん。仏の吉五郎が唯一泣き付ける相手なんだもん。デッカくないわけないんですよ。
大梯子からのジャンプ(倒しながら降りてくるのすごい)のあと、前転入れたときに刀を手放してしまった回があったんですけど、弥右衛門がめっちゃ睨むから後ろから追ってくる三吉の家臣たちが立ち竦んで、そのままにじり寄って刀を回収して立ち回りに突入したの、気迫がすごくて拍手したくなりました。蒼天・ベスト・ハプニング賞ノミネートだね。
殿との立ち回りはお互い素で滾ってるのが感じられてすごく良かった。血に飢えた源三郎、あんなに強い弥右衛門と戦えて嬉しかっただろうな。
ラスト着物が落ちた弥右衛門の背中の刺青がめちゃくちゃ綺麗で、あそこで初めて脱ぐのすごく良いなあ。
「兄上!」と叫ぶ七之助は明確に兄に刃を向けていて、「似合わない」人斬りをさせないために弥右衛門は力を振り絞るわけだけど、千穐楽は源三郎が七之助の殺意をハッキリ目にして、驚愕の顔で死んでいくんだよな。
しかもその後で弥右衛門が、自分を斬った七之助の肩に手を伸ばしただけじゃなく、その刀を掴んで、七之助はその左手をぎゅっと握り込んでてェェ……
最終日に新しい物語を突っ込んでくるのずるすぎるんやて……我々、亡霊になってしまいますので……
七之助の台詞は後半謎のランダム仕様になっていたけど、「わからん」がいちばんすきでした。固定でも良かったと思うんだけど、何によるランダムだったのかな……
あと絶対書き残しとかなきゃいけないのが、源三郎が死んだ直後に駆け込んでくる家臣たちのこまかい芝居です。特に隼人くん……下手花道横から登場してまず弥右衛門が目に入って刀を構えて、その向こうに殿が倒れているのを見つけて呆然と2歩近づいて、まだ弥右衛門が動いているのに気がついてまた構え直して、でも殿が気になって目線が泳いで……
芝居がこまけえ!!!(すき)
他の3人もだけど、当時三吉の家に生きていたひとたちの動きでありすぎるんだよな……ほんとうに良い芝居でした。
街道:それぞれの道
エピローグ、お香さんと吉五郎の優しくて穏やかな会話が沁みるんだよね。細かいことは何にも言わないけど、感謝と親愛が折り重なったやさしいことば。
源吾との会話も、相変わらず天邪鬼だけどそこには確かに信頼があって、彼らの間にはごく自然と弥右衛門の存在がある。強く悲しむわけでも、遠く思いを馳せるでもなく、すぐそこにいる存在みたいに会話に出す感じがすごく良いラストだなあと感じました。
数少ない理解者の弥右衛門を失い、唯一自分の気持ちを伝えるほど愛したお香さんを見送り、共に戦った同志であり同じ立場だったはずの源吾を送り出し、たったひとつ残された手向けの酒代を手に、楽しかった思い出を噛み締めながらひとり「仏の吉五郎」に戻る。
千穐楽は吉五郎が「最後だから」を2回も言ったので!!!!!この「終わり」が「公演の終わり」と重なって、すごくさみしい気持ちになりました。立ち回りでも「最後に」って言ってたし、弥右衛門は冒頭で「千穐楽だー!」って叫ぶし、みんな愛着を感じすぎていてさみしすぎる。
しかも刀刃のラストで「兄弟の友達」が回収されるの、まじで、ほんと、良い脚本すぎたよ……
清々しい顔した仙太郎さんが、店で佐吉に見守られてぷるぷる震えながら酒を運んでいるのも愛おしすぎる。物語の回収っぷりがほんとうに気持ちいいよ。終わってしまうのがさみしい、ほんとにいいお芝居でした!!!大好き!
舞踊ショー
舞踊の感想は脳が溶けてしまって言語化できませんので、いくつかピックアップしてサラッといきます!
個人舞踊-早乙女友貴
朱雀復活の「黒の舟唄」の亡霊なのでフルバージョンをいつまでも待っているんですが、それはそれとして「田原坂」と「人生一路」が死ぬほど良くて泣きました。「夢の海峡」も好きだった。
脚運びも手の所作も重心の置き方もほんとうにだいすき。祭宴で見られなかった日本舞踊を、観たかったものをこんなにたくさん見せてもらえて、通ってよかったなあ。待っててよかったなあ……
バッコミ、MONSTARは舞踊というよりその前に、明確に客席を沸かせに来ているその選択に、すごいグッと来ました……構成に被弾するオタクなので……
Ha Na Biの話はわたしの中の亡霊が騒いでいるので後で書きます。
個人舞踊-三咲暁人
歌舞伎メドレーと深川があまりにも良すぎてだめになっちゃった……あと、可愛い女の子から良い女に豹変する構成が最高すぎる。弁天もやばかったな……
暁人さんって舞踊そのものが好みというわけではないんですけど、曲とお支度と表情と仕草と構成と、とにかくぜんぶ「大正解」を叩き出してくる感じに降参せざるを得ない。
6月から暁人さんの個人はずっと漏れなくお面が登場しているんですが、わたしは絶対に浪曲を観ねばならんので1月の公演にお邪魔することに……しました……よろしくお願いします!
個人舞踊-安田桃太郎
あまりにも排出率が低かった「ひとり旅」、初お披露目と最終日昼は特に友貴先生の動きを再現してる感じがすごい感じられて、後ろにゆっくんのお手本の動きが想像できた。
想像できちゃうからこそ、どうしても比較されちゃうやつ、難しいよなあ!こんなに好きな振りが詰まった曲、ゆっくんの日舞がすきなわたしはどうしてもゆっくんで観たいと思ってしまうもん……(ごめん)
でも「桃さんの新作個人があるよ!」というワクワクがほんとに楽しかった。頑張ってほしい気持ちはたくさんあります。なんか難易度の高い曲ばっかな気がするんだけど、もっと楽しく踊る系のやつ付けない?!わたし、桃さんが満面の笑みで踊ってる「お江戸はカーニバル!」がしぬほどすきなんですが……ああいう楽しい個人も観たいよお……
群舞-BRATS
今回の群舞どれも好きだったけど、日に日に元気が増していく「怒涛」がめちゃくちゃ好きだった。春樹座長との煽り合いがすごい楽しそうだったな〜!!!
「三羽ガラス」は桃さん熊さんの立ち回りがやっぱりめちゃくちゃかっこいいうえに、8日は隼人くんが登場して沸きすぎました。思いっきり飛んで刀をぶん回す隼人くん大好き。爪痕を残しすぎである。
「酔歌」は9日に早替えに引っ込む暇がなかったゆっくんが着物のままちょっと上品なソーラン節を踊ったのがものすごく貴重で眼福でした。低姿勢の足運びは「流氷子守唄〜舟唄組曲」でめちゃくちゃ浴びれたし……群舞まじで見どころだらけだった……
群舞-劇団暁
全員が順番に出てくる「暁人版民謡メドレー」がほんとに好きすぎて、暁人さんの女形と立ちと両方見られて最高でした。今回ほとんど表に立たなかった夏樹座長も出てくるの、ほんとめっちゃ良い……
「純情恋花火」はシンプルにかわいくてめちゃくちゃすきだったし、「化身」は突然春樹座長にダメになっちゃってびっくりしました。なんだろう、あの腕かな……
それから衝撃の「男同士 -POSTホモ伝説-」なんですが、あんな、あんな舞踊なのに、早乙女友貴の身体の動きとしてめちゃくちゃ栄養価が高くてめちゃくちゃ悔しくなりました……サンキュー……
群舞-3人勢揃い
「浪漫」はずっと楽しそうだったし、千穐楽の「舟唄組曲」に突然暁人さんと桃さんが参戦していて声が出そうになった。その3人が並ぶ群舞、ほんとに身体の使い方の差分がめちゃくちゃ面白くて目が足りないんですって!!!!!
ちょっと早めにテンポを取る暁人さん、ターンのスタートがめちゃくちゃ遅いのに回転が死ぬほど早いゆっくん、演出も個人舞踊もやってんのに群舞もそれなりにちゃんと振りが入っていて偉すぎる桃さん。(舞踊の桃さんはまじでほんとうに「偉い」という感想しか出てこない……すごいよ……)
FC配信で予告されていた「やくざ若衆祭り唄」はまさかの3回だけだったんですけど、暁人さんの個人からそのまま繋がる構成が天才すぎてもっと見たかった〜!!(でもそのかわりに「民謡メドレー」が入っているので……諦めざるを得ない……)
しかも暁人さん、立ちだけじゃなくて女形でもやくざ若衆を踊ってくれたのでほんと最高だった。わたしはこの曲の振り付けがほんとうにすきでたまらんので……ひさしぶりにゆっくんのやくざ若衆を生で見られてほんとに嬉しかった。
「お江戸はカーニバル!」は前述のとおり楽しそうな桃さんが大好きなんですけど、今回は大梯子の神輿に乗って登場する早乙女友貴が、鴨居をくぐるときにどの立ち回りよりどの舞踊より低ッッッッッい姿勢になるのが好きすぎてめちゃくちゃ振り返ってしまって暁のターンの後半があんまり見られなかった。圧倒的に目が足りないの、どうにかしてほしいよ……
7日しかない短期間の公演だったけど、日に日に座組の関係性が深まっていって、信頼とか連帯感が積み上がっていくのがすごく感じられて、良い座組だったんだなあ、楽しかったんだろうなあって、見てるこっちも嬉しくなる舞踊ショーでした!!!
わたしは何を観たのか
そもそも今回は「新風プロジェクト」の一環だったので、「大衆演劇」ど真ん中ではなかったんですよね。特に2024年に突然活動ジャンルを広げまくった早乙女友貴が連れてくる客を迎えるもんだから、かなり、かなり、商業演劇や朱雀に寄った作りになっていたんだと思う。
BRATS公演は観たことないけど、アクションと立ち回りに強みを持った人たちだから、舞台を縦にも横にもめいっぱい使った賑やかで豪快な立ち回りはきっとBRATSコラボならではだったんだろうな。
6月に大衆デビューしたときもちょっと書いたけど、わたしは「ワンピース歌舞伎は歌舞伎カウント」と同じ理論で、「新風プロジェクトは大衆演劇カウント」にしました。
でも、朱雀復活の新宿を観たときは「これはたぶん大衆演劇じゃない」って感じて岐阜へ飛び込んだんですよね。そしていま新橋演舞場でやってる「朧の森に棲む鬼」が歌舞伎かと言われると、ちょっとどっちかわかんないなと思ってる。そんで今回の蒼天も、大衆演劇かと言われたら、ちょっとわかんないなと思ってる……
ものすごく楽しくて幸せで間違いなく2024年でいちばん最高な1週間だったけど、何を観にいったのかと聞かれたら、大衆演劇でもなく、BRATS公演でもなく、商業演劇でもなく、全員が違うジャンルから技術を持ち寄ってひとつのものを作る「新風プロジェクトを観に行った」というのがつまり、この問いの答えなのかもしれない。
「商業っぽい演劇」に「大衆っぽい日替わり舞踊ショー」があって、そこに「出身ジャンルがバラバラの役者のファン」がいる空間。
実は、大千穐楽でHa Na Biが出てきたときに「2024年集大成として大正解の選択じゃん……!!!」って天を仰ぐ気持ちと、「大衆演劇のラストがこの曲なんだ……」っていう気持ちとがごちゃ混ぜになっちゃった。
Ha Na Biはすごくすき。演出も、振り付けも、劇団朱雀が目指す新しいエンタテインメントにものすごく合っていて、その中で早乙女友貴というひとが放出するエネルギーが強く輝いていたから。
でも大衆演劇でHa Na Biが出てきて、FCイベントでは中性的な舞踊を披露して、そうなると、大衆でしか、岐阜でしか観られなかった、祭宴に組み込まれることがなかった、わたしが好きになったあの早乙女友貴の立ちの日舞は、じゃあこれからどこで観られるんだろう、という不安も、やっぱり少しある。
ただこれは「新風プロジェクト」だから、朱雀と同じ、大衆演劇をベースに新しいものを作る場だから、やっぱりあの選択はめちゃくちゃ正解だったなって思っています。
ただただわたしの「祭宴に早乙女友貴の日舞枠がなかった」という亡霊が暴れ回っているだけで……
わたし自身は6月の新風をきっかけに劇団鯱の通常公演を観に行く機会ができて、今回の新風をきっかけに劇団暁の通常公演を観に行く機会ができそうなので、新風公演の恩恵をものすごく受けています。
ビギナーが入り口に一歩足を踏み入れるには、チケットの取り方も、客層も、公演も、構成も、すごくちょうど良い機会で嬉しい。
そうしてちょっとずつ知識と機会が広がって、新しい沼にドボンとハマっていくんだよ……
まだまだ大衆演劇の本質は知らないビギナーだけど、着実にその魅力を噛み締めはじめてはいます。たぶん。
長い長い1週間、ほんとうに、ほんとうにお疲れさまでした!
言うのを控えて喉元でモゴモゴしていた感想を書き切ったので、わたしの蒼天はこれにて終幕です。
あー楽しかった!!!!!