Disc2千穐楽おつかれさまでしたー!!!みんな生きて城から抜け出せた?わたしはパール王とともに死んでライブ1曲目で生き返りました。
ライビュぶりに観たら、なんか全然別物で、こないだ書き上げた感想が無に帰した(知ってたけど)ので、また書きます!
わたしは「自分が観たいものにお金を払ったのだから基本的には面白い」スタンスだし、Disc2大好きなんですよ。でも、何度も言うけど宮藤脚本は得意じゃないし、Disc2は解釈違いも多かったんだよ…
というネタバレ満載で好き勝手喋る考察なので、許せるひとだけどうぞ!
とりあえず千穐楽の雰囲気レポ
千穐楽、意外とビギナーが多かった印象です!なんていうか、メタルマクベスという概念に初めて出会ったお客さんが多かった気がする。笑うタイミングとか、オペラグラスのタイミングとか見てると。オペラ装備のタイミングで、ジャニオタか新感線クラスタか歌舞伎界のひとか分かるの面白すぎるよね。ちなみに今回は隣がジャニオタで前が新感線クラスタで、後ろが歌舞伎界のひとだったよ…
ていうか!新感線クラスタにとってはカテコライブの徳永くんの「七光三度笠」がご褒美すぎて大変なことになっていませんか?!これも何度でも言うけどなぜ劇中で歌わなかった!!!(尺が長いからですかね。千穐楽、櫻子夫人のメイプル城、ちょっと尺削られてませんでした???あんなに矢継ぎ早に喋ってた???)
みんなお歌の感情が高ぶっていてとても良かったですね!!!特に原くんのジュニア!!!9/26からライビュまでにすでに進化を感じてワクワクしてたけど、予想通り良かった…良かったよ…
ちなみに前回の感想はこちら。
あとNo body kills meの櫻子夫人が好きすぎる。病んだ夫人が好きすぎる。そしてお歌で言えば、千穐楽ライブでサンボさんががっつり歌ったの最高でしたね!!!麗しいパール王のお姿でメタルマクベスバンド楽しそうで嬉しかったよ…あれ円盤にちゃんと入る?入るよね?歌い終わったらあっという間に後ろの方に引っ込んでインディさんと参観のお父さんみたいになってたけど、あの歌は残してね!!!
ご存知の方も多いかと思いますが、わたくし新感線初見からずっと河野さんのファンでして(オタクと呼べないゆるいファンなのでアレですけど)、Disc2でフェルナンデス国の国民が急に増えていてびっくりしている所存です。紫色の装備で戦に臨んだ魔女多すぎじゃない?いままでサンボさん関連の感想はオフのサンボ同盟同志としか喋ってなかったんですけど、ついったにもパール王関連のツイートがやたら増えまして、情報が増えてほんとにありがたいです最高。最高!発信力の高いひとをそっと沼に引きずり込んで良かったなとしみじみ思うわけです。(ありがとうございましたァ!)
うっかりすると結局サンボさんの話で終わってしまいそうなので、さっさと本筋の考察に入る!
独断と偏見で解釈違いのランディ
夫人が飛び降りた知らせの後であんなに泣いてるランディが解釈違いなのわたしだけですかね?!??いや、もうシェイクスピアの原作読んでない身で解釈違いもクソも無いのは分かってるんですけど…
1幕のランディは強く見えて実は臆病なチキン野郎。1幕の夫人は「君ってひとは…」に「なあに?」って答えられちゃう悪魔のような女。
それが話が進むにつれて逆転していって、夫人は怯え、後悔してひとり死んでいくけど、マクベスは恐れが振り切れて暴君になり、身勝手な自信で「悪魔の右腕」とまで呼ばれるようになる。んだと思ってたのね。マクベスと夫人はふたりでひとりの悪魔で、夫人が悪魔ならマクベスが人間。マクベスが悪魔になれば夫人は人間に戻る。
マクベスが弱気なら夫人がたしなめるし、夫人が怯えればマクベスが慰めるし、常に感情も背中合わせのはずなの。だから、終盤でランディが泣いてしまうのはなぜ???って。思ってたんですけど。書いてたら勝手に腑に落ちたわ。夫人が笑って死んだからだな?!?!夫人があんなに幸せそうに笑って死んだから、笑顔を殺したから、ランディは失意で悲しみに暮れてる?それならわたしDisc2夫妻と仲直りできそう!!!
ローラとの友情と夫人の孤独
仲良くないやろ!というレポを書いて、仲良くないからこそ、響くものがある。って書いたのに、千穐楽、ランディとローラ仲良しだった。どうしよう。ローラと、ちゃんと仲良しだった。ちゃんとお互い信頼してるやん…なぜ、なぜこうなった…!!!
これまでは誰も仲良くなかったから、誰とも仲良くなれないひとたちの「欠けた」物語としてワクワク観られたんですけど、なんと、ランダムスターにエクスプローラーとの絆ができてしまったんですよ。取り残された夫人の哀しさったら無い。
特に2幕のランディにはほんとうに夫人のことなんか見えてないように感じて、なのに結婚しようとか言うから…ローズの「嫌よォ」にとっても納得したわたし。
マクベスにはもう自信をくれる魔女がいて、目指すべき野望は無くて、ローラやグレコの家族を殺すことを自らの意思で決められる。夫人が耳から注ぎ込む残忍さは、もう必要なくなってしまった。かつては夢中になった女だけど、いまは惰性と共犯意識で一緒にいるだけ。そんな慰めの結婚なんて、夫人のプライドが絶対に許さない。
悪魔に心を売る人間は、何か成し遂げたい目的がある。夫人という悪魔に心を売ったランディには、王になりたいという野望があった。でもランディという悪魔と生きる夫人には、なんの野望もない。ただただひとりぼっち。
わたし、Disc2夫人の夢は「夫を支える良き妻」だったと思うんですよね。(Disc1夫人の夢は「ランディを支える良き妻」)根底には、自分を必要としてほしいっていう想いが重く横たわってる感じ。
「ふたりで大きなことを成し遂げたかった。」って言ってるけど、「夫の成功の陰には自分がいる」「夫に"君のおかげだ"と認められる」という満足感が欲しかったのでは?それは、1980年代のマネージャーにも通じますよね。
でも、王になったランディは感謝するどころか、地下にこもってバンド三昧。手に入れた野望にも目もくれない。誰もが羨む王の妻として、王に必要とされながら生きることを目指したのに、そうはなれなかった。しかも、聡明な夫人にはランダムスターが反乱軍に討たれる未来が見えている。グレコ夫人の歌にもあるように、未亡人には救いがない。しかも暴君の未亡人ともなれば、救いのなさはいかほどか。そこまで思い至ってはじめて、レスポールの妻の話に思い至ったんだろうな。王の妻という座を手に入れたにもかかわらず、誰の記憶にも残っていない女性。名前も、姿も、何も知らない女性。多くの人から必要とされたかった夫人にとって、誰の記憶にも残らないのは恐怖でしかなかったでしょう。だから、せめて印象に残る死を選んだ。
そういう意味では、夫人の死を嘆き、夫人の亡霊に心を奪われるラストのランダムスターは、夫人の最後の望みを叶えたことになるのかもしれない。
殺しが好きか?歌いたいだけか?
続いては、初演(WOWOWで昨冬観劇)からずっと不思議だった、ランディについて。
最後の対決前、レスポールの亡霊に問われて「殺しが好きだからだ!!!」と叫ぶランディ、どうしても殺しが好きだとは思えないんですよね。
他に答えが見つからないから、自分でそう納得させてるような、そんな悲しい叫びな気がしていて。
原作読んでないのでなんとも言えませんが、レスポールの亡霊って、ランディの心の悩みを具現化したのかなあと思います。だから、ランディが望まない答えは言わない。
かつて王のために敵を殺していたランディは、家族=妻のために王を殺し、そのうち疑念から多くの殺しを重ねていく。王の暗殺以降の殺しは、妻のためではない。野望があるわけでもない。ただ保身のために殺しただけ。
英雄だったランディが、保身のために親友や家臣の家族を殺したなんて、根が臆病者で善人なランダムスターには耐えられなかった。でも、悪魔の右腕を持つ者として、半身である夫人まで失ったランディは、ここで殺しをやめるわけにはいかない。だから、いつかレスポールに言われた「殺しが好き」という理由に逃げたんじゃないかと思うんですよね。
それは1980年代、バンクォーの死を計画したマクベスがレコーディングで「ただ歌いたいんだ!」と叫んだ哀しさと通ずるものがあると、Disc2千穐楽で初めて思いました。
Disc2のメタルマクベスは、きっと田舎の幼馴染の遊びからスタートして、地元ではちょっとしたスターで、俺たちで天下取ってやろうぜ!って夢を持ってメジャーデビューまで漕ぎつけたのに、悪魔ローズが耳から注ぎ込んだ悪態に魅せられて、バンドの音としては理想に近づきながらも、自分たちのバンド「メタルマクベス」からはかけ離れていく。バンドが楽しかったあの頃と比べて、自分の意のままになるバンドを手に入れて、満足なはずなのに何か違う、違和感と後悔を見ないふりするような、そんな感情が「歌いたいだけ」「殺しが好きだから」なのかなって。自分は悪魔だと、自分に言い聞かせるための言葉。
狼の一族とギターブランド
さて、続いては夫妻以外の話について考えますよー!
「狼の子孫が〜丘の鯨が目を覚ます」の予言はメタルマクベスオリジナルだったはずなんですけど、子孫=ジュニアで合ってる?狼=レスポール一族で合ってる?グレコの肩に狼の刺青があるのも合ってる?ランディがグレコに向かって「お前の一族の血を吸い過ぎた」って言う台詞も合ってる?
つまり、グレコも狼の一族って解釈で、合ってる???
これも初演からずっと考えてたんですよね。でもちゃんと解釈したことなくて、このタイミングで考えようと思って楽器メーカーの名前調べ始めたら沼にズブズブなので聞いてくれますか…そんな細かい想像めんどくさいよってひとは飛ばしてね。
「レスポール」はもともとギブソンが作ったギターのモデル名で、いろんなメーカーがコピーモデルを作っているそうな。ESPもそのひとつ。廉価版を「レスポール・ジュニア」と言うそうです。
レス・ポール・モデルはグレコやトーカイ、ESP、ヘリテージギターズ、フェルナンデス(バーニー・ブランド)など、様々な会社によりコピー・モデルが製造されている。
うん、いきなりだけどちょっと待とうね???フェルナンデスもここに入ってるんだ?!?!グレコ、トーカイ、フェルナンデスって最終的にジュニア側に付いた=レスポール側ってことか。パールは打楽器メーカーで陣営表せないから、フェルナンデス地方自体がレスポール側の陣営って形なんだろうか。
ていうか、これ全員血族の可能性ない???
トーカイって、確かグレコがジュニアを探させるときに呼んだし、妻子が殺されたときにはな居城に駆けつけますよね。身分は低いけど遠い親戚みたいな。
グレコとパール王が親戚で、ランディとローラが戦友なら、ローラとグレコが仲良くなって結局4人でティーンエイジャーを過ごすことになったとか。だからランディとグレコはナチュラルにいがみ合うし、ローラが死んでもパール王はそれほど悲しんでないし、パール王とランディには何の共通点もない。勝手に浅く深読みするオタク。
マーシャルと平和
引き続きギター調べてたら、またこんな記載を見つけました。
なるほどジュニアとマーシャルの息が合ってたわけはこれか!!!他は楽器メーカーなのに、マーシャルはアンプのメーカーなんですよね。しかも、Wikipedia情報だけど、トーカイもアンプを販売しています…。生き残ったのは、トーカイと、マーシャルと、歌い手とその母だけ。(グレコは瓦礫の下って言われてるのに何で最後に生きてるのかちょっとわからない。エンディングのため?)
ランダムスター、エクスプローラーは代表的な変形ギターの名前。
広義では(中略)ストラトキャスターとレスポールに代表されるスタンダードな機種の対極に位置する存在
(Wikipedia「変形ギター」より引用)
ギター対ギターの争いに終止符を打ったアンプ・マーシャル。それって、「自分が音を出す」者たちの時代から「他人の音を届ける」者の時代に変わるって、その世代交代最高!!!これからは他人の音を聞き、サウンドを広く届ける平和な時代なんだね…。
Disc3とシャルル浦井
わたし、シャルルも推してるんです。(浦井推しではなくシャルル推し)Disc3までの間に「薔薇とサムライ」「ZIPANG PUNK」の五右衛門ロックシリーズIIとⅢもよろしくお願いします!Ⅲのジパパンでは河野まさとさん演じる金次にいちゃんも必見です!よろしくお願いします!
珍しく関東ローカルじゃなくてBSで放映されたDisc3の特番を観たら、マクベス浦井がシャルルすぎて腹抱えて笑ったけど、ツイッター開いたらタイムラインがみんな「シャルルだ…」って呟いてて腹筋崩壊した。
浦井ンディについては、「つおぉいの!」のシーンだけはもう上手くいく結果しか見えてないんですけど、ランディがちゃんとつおぉいか心配。でも、特番観てからDisc2の千穐楽観たら、なんとなくオーバーラップしたんですよね。Disc3のイメージが。インタビューによればランディ二刀流だって言うし、これまでになく軽やかなランディになるのかも。汗臭そうなマクベスじゃなくて、ほんとに聖飢魔Ⅱ的な、キャラクタ的なマクベスになるのかも。わくわく。
夫人もJ-POPだっていうし、なんかDisc3大トリだけどイロモノっぽくて大丈夫…?と思いながら、いのうえ大先生がまた期待を大きく飛び越えて行くんだろうなと予想しながら。
なんか、ずっと得意じゃなかったメタルマクベスの脚本とようやく仲良くなれてきた気がしたDisc2千穐楽でした。ようやくいろんな読み方ができるようになってきた気がする。Disc3までに松岡先生のマクベス読んで備えようかな!
そろそろ次のステアラ公演と39公演の告知がほしいぞ!
沼の底よりお送りしました。