大阪初日が待ちきれずにチケットを取ったライブビューイング。
結論から言うと、はやく現地で観させてくれ。
わたしのTLは初日勢が多いので布教レポは山ほど回ってきたし、いまさらわたしがネタバレなしのレポを書いたところで誰のためのエントリだ?と言う気もしますが、万が一のために書きます。
まだ現地で観られる機会がたくさんあるから、ぜひ現地で観てほしい。
まだ迷ってるひとがここへたどり着いたら、ぜひチケット取って欲しい。
両国花錦闘士を現地で観るべき理由を3つにまとめてみた!(けどその続きで感想も書いてる)
1.寄りの画じゃもったいない
いや、アップを観られるのがライビュと円盤の利点なのは分かってるよ。分かってるけど、両国花錦闘士、とにかく舞台上に出演者がめちゃくちゃ居る!!!
全員並ぶ壮観、インパクト、衝撃、感動、そして漂う祝祭感。寄りの画角じゃやっぱり良さが半分しか伝わらないんですよ。たぶん。(まだ現地で観てない)
全景が見えないの、惜しすぎる。
アップで抜くから表情はよく見えるんだけど、そこは別の人のダンスも観たい。全員で踊る祝祭感を感じたい。
他にも、たぶんこれぜったい引きで観たいやつ!と思う場面がたくさんあった。あの壮観は絶対現地で肉眼で観たい!!!
2.場面転換が最高
1つ目の理由とちょっと被るけど、場面転換、特に人物の登場シーンは肉眼で観るべき!!!だって、大事なシーンで出てくる瞬間、天才的に演出されてる。
セットに投影された映像とリンクしてたり、セットの転換と同時に奥から登場したり、とにかく場面転換の演出が天才なんだ…
カメラのアングルじゃ映りきらない、あの、板の上の世界観がもっと観たい。
なんていうか、空間が広すぎるんですよね。
照明もセットも映像も、左右から天井まで、舞台をめいっぱい使って演出してる感じ!照明も天才すぎたから2階席から俯瞰でも見てみたくなったよ…
3.客席と一体化する熱量
なんだろうね、あの熱量。画面越しにでもぼんやりと感じる気迫。舞台はナマモノってよく言うけど、ほんとに空気が生きてるみたいだった。
自粛明けに観た浦カチでも思ったんだけど、演劇って五感ぜんぶを捧げて楽しむエンタメだから、基本的に現地の空気を感じに行くわけなんだけど。
Thrill meの衣擦れひとつ立てちゃいけないような緊張感とか、歌舞伎で大向こうを張るギリギリ直前で溜める盛り上がりとか、そういうナマの感覚ともまた違って、両国花錦闘士には熱量があった。
どちらかと言えば、岸和田のだんじりみたいな、リオのカーニバルみたいな、現地でその場に立ち会うことに意義があるタイプの熱量。
なんだろうね。観たことないけど、現地で格闘技を観るのって、やっぱりこんな感じなのかな。相撲という格闘技が発する熱量を、この舞台も発してるのかもしれない。
そして、その熱に浮かされたように客席が生きている!!!
演劇は客が入ってはじめて完成するってよく言うけど、まさにその通りなんだろうな。客との掛け合いは一切無いのに、最初から最後まで画面の外、客席から鳴り響く手拍子がこのお芝居を祝福していた。
私だって手拍子したかった!!!!!
両国花錦闘士のここがすき
ここから独断と偏見の感想レポです。
引き続きネタバレはありません!
相撲とエンタメと脚本
脚本は「カチカチ山」で私の安心と信頼を勝ち得た青木さん。原作読んで無いけど原作ご存知のみなさん、評価どうですか?!
未読組からするとめちゃくちゃ良いです!
正直、相撲なんてぜんぜん知らん。
いやほんとは、ちょっと縁あって勉強したことあるんだけど、興味なんて全くなかった。
それがどうでしょう。
相撲、めちゃくちゃ面白そう!!!!!
ハッピーおばかミュージカルで踊り狂ってたはずなのに、いつのまにか我々には相撲の基礎が叩き込まれてた。
ちゃんとエンタメを楽しんだのに、めちゃくちゃ相撲に詳しくなったし、もっと知りたくなった。
詳しいところはネタバレのエントリで書くけど(ライビュなのにもう一本エントリを書く気でいる)とにかく本筋の後ろに、ちゃんと、背景と前提と知識と補足を、さりげな〜〜〜く配置してくれる青木脚本、まじで信頼できるなと思いました。
もっと書いてくれ!!!
ちなみに日本相撲協会のコンテンツ「相撲のいろは」がめちゃくちゃわかりやすいので、両国未履修組も履修組も読んだらいいと思うよ!
http://www.sumo.or.jp/IrohaKnowledge/sumo_history/www.sumo.or.jp
原嘉孝という俳優
原くん、あまりにも輝いていた。
私は原くんの担当でもなければ、Jファンでもない。彼の芝居を追っていたわけでも無い。でも今回の主役抜擢のいきさつとか、フォロワーさんのツイートとかで、なんとなく肩入れしている自覚はある。
ただ、そんなどころじゃなかった。
2年前、メタルマクベスで観たとき、成長著しい子だなとは思った。思ったよ?
でも2年後に明治座の真ん中でスタオベを誇らしげに眺める看板役者になってるとは思わないじゃん?!?!
TLでずっと「演劇の神に愛された男」と言われ続けていたけど、原嘉孝、ほんとうに神に愛されていた。
これが原くんのために書かれた役じゃないってマジ?!こんなハマり役ないよ!!!
原くんはやせ型の力士、つまり筋肉質な力士の役なんですけど、マジで身体が出来上がってた。
しかも何がすごいって、元の配役では相撲取りじゃないんですよ。
1ヶ月前まで相撲取りの役じゃなかった=裸になる予定じゃなかったのに、相撲取りとしてあれだけ鍛え上げられた身体を全国に披露できる原くん、まじで信頼できる役者だなと思いました。
カーテンコールでは役から離れた純粋な表情が印象的だった。
袖に下がる直前、キラキラした瞳で、ひろい明治座を見渡して、上階の奥まで目線を送って、すう、と息を吸い込んで、姿勢を整えてから深々と頭を下げて、それはとても長い時間で、しっかりと舞台と観客に感謝を示して去っていった。
なにそれ推せる。
めちゃくちゃ誠実で、めちゃくちゃ全力で、ひとつひとつの芝居を、一瞬一瞬を、すべて逃さないかのように、全身で受け止めているように見えた。
原くんは私にとって、もう所属とか関係なく一人の役者だよ。今後も板の上で輝いてくれ…
脇役の居ない世界
普通、舞台にはたくさんの「アンサンブル」が居る。名前のない役を何役もこなし、板の上に「人々」を生み出す重要な役。
でも、両国花錦闘士にはアンサンブルがいない。
わらわらと出てくるお相撲さん全員に名前があり、セリフがあり、なんなら持ち歌すらある。
総勢24人の登場人物、一回観ただけでほとんど全員わかるって何事???サイコーすぎんか???
ここまで書いて、パンフレット開いて、配役表みて、天を仰いだ。
全員に役名ちゃんと付いてる。
よくある/で区切られた複数役じゃなくて、「その人の役」が書かれてる。
最高か…
両国花錦闘士は、24人全員いないと成り立たない舞台なんですよ。たぶんカンパニーの人数を極限まで減らしてもこの人数より減らせないと思う。
それくらい、一人一人に役が与えられてる。
全員が、生きてる。
最近「生きてる」コンテンツに弱い。
シナリオのために生かされてるキャラクタじゃなくて、生きてるキャラクタの人生の一部を垣間見てるようなコンテンツがいい。
だから両国花錦闘士は、めちゃくちゃ良い。
まだ現地に行ける!!!
まだ現地行くチャンスあります!!!
しかも座席が選べるよ!!!
東京のひと、大阪のひと、福岡のひと、行こ!!!
ハイ、明治座!(東京)
https://web.meijiza.com/sekitori/public/TicKogyoListAction.doweb.meijiza.com
ハイ、新歌舞伎座!(大阪)
ハイ、博多座!(福岡)
もう一回言うね。座席選べるよ!!!
これ書くために有給取った
今週どこかで休み取らなきゃだったんですけど、絶対レポ書きたくなると思って翌日休みにしておいてよかった。
すごい満たされた気持ちで有給を過ごしました。
だって両国花錦闘士、普通の演劇だったんだもん。
「この情勢だからこその」とか「この機会に新しい形式に挑戦」とか、もちろん大切だし面白い試みだしめちゃくちゃ楽しいし、もっとくれ!と思うんだけど。
この状況すらエンタメに変えてしまうの、サイコーに素敵なんだけど。
それはそれとして、今まで通り、ただ楽しむために、何も考えずに浴びるエンタメを(画面越しだけど)全身で浴びたの、すごい元気になった。
今年の冬は、手洗い、マスク、両国花錦闘士。
みんなで健康になろ!!!!!
おわりに
もちろん外出控えたり、食事控えたり、いろんな対策をすべきだよ。観客としても、観に行く以上はそういうのは当たり前にするべきだと思うし、どうしても行けないひとがいるのも分かってるし、そういうひとたちのためにも、円盤になればいいなとは思ってる。
こんな、当たり前で野暮なこと、注釈付けなきゃいけないご時世なのが悲しいけど、一応ね。