足元にご注意ください

気付けばハマる、そこは沼。劇団☆新感線を中心にお芝居について好き勝手書き連ねる場所。

劇団朱雀 復活公演 を みた(語彙力の死)

千穐楽で歴戦のオタクの脳みそがドロドロになってしまったこのタイミングで、14日マチネの話をしてもいいですか?

人生初朱雀です。ついに観てしまった。ついに、観てしまったんですよ。

これはなに?

1部で死に、2部で死に、3部で死んで終演後も追い打ちで死んだ、劇団朱雀復活公演の感想エントリです。

わたしはかじゅきの火消しを観られればそれでいいはずだったのに、もうよくわからない。このエントリがちゃんと日本語になっているかどうかすら、もうわたしにはわからない。

 

 

1部はほとんど覚えてない

何故って?幕が上がった瞬間に死んだからだよ…

主要キャストがほぼ勢揃いの顔見世花魁道中。真ん中に立つ凛とした花魁太一。肩貸しはゆっくん。選曲は椎名林檎。もう、この時点で圧倒的な死。(圧倒的な死とは?)

 

情報ゼロで飛び込んだわたしに1から10までガイドしてくれた同志のオタクが「幕が上がる瞬間はオペラで抜いちゃダメ」と忠告してくれたので、わたし、ちゃんと全景観れました。パーフェクトな構図すぎて一生覚えていたい。

 

舞台に華やかにメンバーが並んで、露払いを従えて、澄ました顔の提灯持ちと、凛々しい肩貸しがそばに控えて、後ろを傘持ちが守って、中央にしゃんと立つ花魁桔梗はたぶん人生で出会った中で1番美しい光景だった。

 

周りの男衆どれそれ誰?とオペラを覗き込んだ瞬間、早々に2度目の死を迎える。傘持ち…花魁の肩越しに見える、か、傘、持ち…

そこからはもうほとんど覚えてない。いやあの、ちゃんと観たよ?肩貸しも提灯持ちも露払いも舐め回すように観たし、花魁が薄く微笑みながら会場を見渡す視線には思わず恥ずかしくなってオペラ降ろした。記憶はある。でも全体の7割くらいは傘持ちの印象しか残ってない花魁道中。ちょっと、ねえ、花魁に集中させてくれよ。

 

オタクは総じて軽率に死ぬけど、傘持ち熊倉さんが運んできた死はこれまでにない死でしたね。ぜんぜん伝わってないのは知ってる。

まずあの表情がずるくないですか?!??元からあのちょっと切れ長な目に、あんな目尻のアイライン、薄い眉、駄目押しの、あの、細めた目〜〜〜!!!!!なにその!顔!!!すき!!!

そんであの傘の持ち方、頭の上で、逆手って!!!我々を殺す気でしかないでしょ。一切ブレずに逆手で傘を持つ熊倉さん、グッと盛り上がる腕の筋が最高にセクシーで全世界が撃ち抜かれた。(勝手に世界を代弁するんじゃない)

1部が終わった瞬間、同志のオタクに半ギレでメッセージ送って介抱を頼みました。ご迷惑をおかけしました。だって1人では抱えきれなかった傘持ちの衝撃。

1日経ってようやく落ち着いてきて、ようやく「幕が上がる瞬間はオペラで抜くな」と言ってくれた同志のありがたみをじわじわと感じる。もし冒頭でオペラ構えてたら、あんな最高の花魁を冷静に拝めてなかった。幕が上がったあの瞬間の完璧な景色を、こんなに覚えていられなかった。持つべきものは信頼できる同志のオタク。いつも本当にありがとうね…!

チケット代6500円、間違いなく冒頭15秒で元が取れた。1部1曲目をもう一度観るためだけに6500円払うので観せろください。大阪のチケット無さすぎでしょ?!

 

思わずここで1部の感想終わらせてしまいそうになったけどまだ1曲目の話しかしてない。っていうかほぼ傘持ちの話しかしてない。

マチネ後にお茶したときも、ソワレ(わたしは観てない)後に再合流してご飯行ったときも、ほとんど傘持ちの話しかできなかったんですよね…傘持ち…

 

傘持ちのおかげでカッスカスになった脳みそを総動員して残りの話をします。

舞踊ぜんぶめちゃくちゃ良かった。

いやほら…お芝居なら考察とか色々するけどさ…舞踊は…わたし最近気付いたんですけど、舞踊が大好きなんですよね…そんであれは浴びるものなの…目を経由して脳で浴びてぐじゅぐじゅに溶かすものだから…

全部溶けた。曲ごとに髪型変えてくるの完全にずるいし、少女の足運びで舞うワダツミから年齢を重ねた夜桜に続くのが、あの、その、すき。

脳で浴びる舞踊、感想が言語にならない。

スゴイヨカッタ…スゴイ、ヨカッタ…

 

 

かじゅきを引き当てた2部

わたしはかじゅきのオタクなので、火消しが観たくてチケット取ったんですよね。大当たりです。(しかも全作品J:COM配信決まったから大勝利)

火のないところに男は立たねえ、全くもって、どこからどう観てもかじゅきだったので、普通に死んだ。プロメアとふたがしらグレンラガン五右衛門ロックを一緒に浴びてる気分だった。そしてかじゅきビンゴはやっぱりぜんぶビンゴになった。

 

ねえ、ずるくない?言わせたい台詞、ぜんぶ早乙女一族の声帯で言ってもらえるかじゅき、ずるくないですか?????次郎吉さんも、忠助も、お頭の喜兵衛も、ぜんぶ早乙女一族の声帯だよ?ずるいよね???

 

かじゅきの書く脚本、往々にして主役と主人公が違うんですけど、今回も主役は座長で主人公はゆっくん演じる忠助(と了くんの半次)でしたよね。その構図、その構図ずるくないですか?だって故郷へ帰るんだよ。「俺にも出来る、やってやる」って、名を戻して故郷へ帰るんだよ?

そして意味のないことをしないかじゅき、わざわざ名前を変えて隠して明かすってことは、次郎吉、半次、忠次の「次」には意味があるだろうし、それはきっと「次世代」「次の人生」の「次」だろうし、復活公演へのお祝いの気持ちを込めたんだろうな…って考えると…やっぱりかじゅきには一生付いていこうと思ったし、かじゅきに愛されてる劇団朱雀のことがもっと知りたくなったよ。

 

今回のお席が16列目で、後ろの通路から2列目の下手側だったんですけど、めちゃくちゃいい席だった。通路走ってハケていく役者たちも間近で見れたし、2階から見下ろす次郎吉と舞台をいっぺんに見れたし、ねずみ小僧のはしご芸は目の前でした…視覚的な情報量がやべえ。新感線もビジュアルで殴ってくるタイプの劇団だと思うんですけど、新感線以上にビジュアルの圧がすごかった。ハコが小さいってこういうとこが強いよなって思いました…凝縮されてる…

 

そんなやべえ情報量と推しの脚本にぶん殴られて終わった2部。わたしの仕事はまだ終わってなかった。

開演前に同志のオタクから「2部が終わったら素早く左側の通路に並んでください。ねえ、覚えた?左側ね?急ぐんだよ?!」と言い含められたので、無事に太一座長から手売りでパーカー買えたよ…ほんとうにありがとうね…同志のガイド、怒涛のように情報を降ろしてくれるからめちゃくちゃありがたいけど、当日はそのありがたさを理解する前にとりあえず従うしかないのめちゃくちゃ面白かった。

そして太一座長がめちゃくちゃ優しくて泣いた…なにあれ…ピエタのマリアさまみたいな優しさ…浴びた…

 

 

3部は情緒が付いていかない

傘持ちの混乱を引きずり、火消しの感情を整理する暇もなく、手売りの動揺そのままに始まった3部。いきなりオールスタンディングで出遅れた。座長の影ナレでみなさんの準備はできてますか?!って聞かれたけどぜんぜん準備できてません。劇団朱雀、情緒が全く追いつかない。

 

そして始まるお祭り騒ぎ、超ウルトラハッピーで、あの振り付けめちゃくちゃ好きで、楽しくて楽しくて仕方がないんだけど、情緒が全く付いてきてない。だんだん慣れてきて、ようやく心から楽しめてきた頃に、突然の着席。え、座るの?お祭り終わり?ポカンとしてる間に再登場する早乙女の真骨頂は初見を殺す。朱雀の構成、オタクの情緒への配慮は一切無い。ジェットコースターっていうかお化け屋敷。次に何が出てくるのか分からなくて心臓に悪い。

 

でも、あの布捌きからの舞からの兄弟殺陣は、だめですね。もうだめです。知ってた。みたらだめになるの、わたし、しってたのにわすれてたの。もうだめです。もう、だめです。

 

なんの情報も入れなかったので、あの曲名もそんなに明確には知らないんだ。けど、神々しい名前のヤベェのがあるのは知ってた。神々しくてヤバかった。(語彙力の完全なる死)

なんかこう、最初は青い大きな布に包まれて宙に浮いたみたいで、圧倒的に神格化された早乙女太一を見せつけられたじゃないですか。なんかほら、偶像崇拝したら怒られそうなやつ。

その布を強く払いのけて地に足つけて、自分の身の丈に合った布を自由自在に操って、そこからチラチラ見える金色が綺麗で、ああ、綺麗だなあ、素敵だなあ、と思っていたら、ゆっくんの登場。

中身は同じ衣装なのに、ゆっくんのは覆い隠されてなくて、いかにも軽そうな薄い布をひらめかせて、ああ、早乙女太一はまだ早乙女太一という布に囚われていたのかもって、もっと自由な早乙女友貴って存在を見て初めて気がついて。兄は弟が羨ましかったんじゃないかなあ、なんてぼんやり頭の隅で感じて。

前後上下の構図から、だんだん左右対称の動きになっていって、最後にはすべての布が取り払われて同じ衣装に。そして対等な兄弟殺陣。兄が先を行くんじゃなくて、弟が先陣を切る兄弟殺陣。納刀は背を預けあって。

 

なんか、わたしは初朱雀で5年前の様子も知らないし、大衆演劇もよく分からないし、座長としての早乙女太一のことは何ひとつ知らないんですよ。だけどあの兄弟殺陣前後の流れを観て「2代目座長・早乙女太一が率いる劇団朱雀」ってラベリングはもう古くて、いまは「早乙女兄弟の劇団朱雀」なんだなあって思ったことだけは確かです。新参者が何言ってんだって感じだけど、そう感じたので仕方がない。

 

続く群舞も、座長がセンターではなくて、2人でWセンターなのも、冒頭の顔見世との対比でじわじわ来たよね!!!なおこのときのわたしは2人の間に妹君が立っていて早乙女トライアングルが出来上がっていることをまだ知らない…死…

 

っていうか、あの溶けた脳でよくここまで感想覚えてられたなって、自分でも驚いてる。でもちゃんと兄弟殺陣はヒノデ5倍で2人とも視野に入れたまま追ったし、オペラ外して引きでも観た。あんなに脳が溶けてたのに、こんなにちゃんと観たの偉くない?

 

そしてまだ続く死。もう息も絶え絶え。

3部が終わったら悪魔のチェキ撮影会だよ。撮ったら魂吸いとられるんじゃないかと思ったよ。自分には関係ないイベントだと思ってたのに、ガイドしてくれたオタクの采配で、あれよあれよという間に紙切れ握りしめて並んでた。だってほら、当日はわからないから、とりあえず従うことしかできなかった。

座長、チェキ撮ったら必ず微笑んで握手してくれて、お着物と舞台からお香のいいにおいがして、あの舞台前の空間はどこかの異世界だったんじゃないかっていまでも信じてます。

 

 

劇団朱雀はおそろしい

拍手のタイミングも、大向こうの御作法も、誰が誰かもわかんないけど、とりあえず戸惑いは全部ビジュアルで殴り飛ばされるってのが総じての印象。っていうか、大衆演劇ってきっとそういうものなんだな?!全部忘れて楽しもうぜ〜〜!って感じ。

リピーターこそ楽しめる仕掛けがたくさんあるし、初見がナチュラルにリピーターに変身できる体制が整ってた。(チケットが取れるかどうかはまた別の問題)

これ、一度観たらちゃんと知りたくなるし、ちゃんと知ったら何度でも観たくなるやつでしょ?わたししってるよ、それね、沼っていうんだよ。

千穐楽で死んだオタクたち、座長のインスタで致命傷を受けてみんな言葉をなくしているんですけど、新参者のわたし、まだそこ刺さってないのは流れも重みも知らないからだと思う。とりあえず帰ったら朱雀FINALの録画を観ます。

また新しい沼に片足を突っ込んだ自覚はあるので、年明け早々に当日券チャレンジしてきますね!(12/16追記)大阪と札幌、当日券ないってよ!!!大阪のチケット無さすぎでしょ?!

 

劇団朱雀復活公演、東京千穐楽ほんとうにおつかれさまでした!