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気付けばハマる、そこは沼。劇団☆新感線を中心にお芝居について好き勝手書き連ねる場所。

【感想】TLにあふれていた混乱を理解した初見極髑髏【修羅天魔】

あ〜〜そういうことね?完全新作…あ〜〜〜〜!と、何も言語化できずに帰ってきた極髑髏マイ初日。(3/23マチネ)

しばらく置いて日本語を取り戻したので書きます。でも語彙力は取り戻せてないかも。

 

スクラップアンドビルド

たしかに髑髏城の七人でした。たしかにそうだけど、けど、同じテーマと同じ名前の、全くの別物でした!!!!!

これまでの「髑髏城の七人」に含まれてたパーツをバラッバラに崩して、必要なものだけ拾い上げて、20年前経って思いついた新しいパーツと一緒に組み直して、出来上がった新しいキャラクターにこれまで使ってたのと同じ名前をつけた感じ。ほんとスクラップアンドビルド

兵庫も沙霧も極楽も、天魔王すらも、あれはあれであってあれではない。名前に騙されるなよ!ディテール違うぞ!知ってる奴らじゃないぞ!(でも基本は一緒…)あああ混乱!

テーマも名前も同じだし、見馴れたパーツがいっぱい出てくるから勘違いするけど、これは違う作品なので、知ってる名前があってもそれは別人です!!!!!ってちゃんと理解した上でもう一回見たい。

 

 

新感線クラスタへのご褒美

劇団員!!!!!!(絶句)

本チラシ以外の前情報を一切遮断して臨んだ極髑髏、妙声と水神坊が出てきた瞬間死んだ。

三五が愛しすぎて泣いた。

清十郎がオイシイ役すぎて身悶えた。

清十郎の話はあとで書きます!!!!!

こう並ばれるとオールスターって感じするよね…すき…なんか…なんか…とても劇団員が活きる脚本だった…ような気がする…髑髏城の原点はワカじゃねえよって言われた気がした…

初見には優しくないけど、本拠地からは遠い遠い豊洲に1年間も通い続けて新しい沼を与えられ続けて、いろんな本面へ散財させられてしまった新感線クラスタへのご褒美かなって。

 

些細だけど意外と嬉しかったのが、三五が最初に荒武者隊を裏切るとこ。これまでずっと、髑髏党をやっつけたら一回荒武者隊側に戻ってきてやいのやいの言って、追い立てられるじゃないですか。あれ今回無かったよね?

裏切り男は三五も渡京もだいすきだけど、50過ぎてあの掌返しはちょっと小物すぎるよね…と思ってたところを、あんなにカッコよくしてもらっちゃってまあ…!

ちゃんと掃除したり荷物持ったり、髑髏党の一員としてしっかり過ごして、でもやっぱり違う!って自分から裏切る三五、嘘つき三五の通り名を捨てて、雷より早い口上も封印して変えた人物像スクラップアンドビルドの範疇超えてない?三五アルティメットって感じじゃない?愛おしくて泣いちゃうんですけど?!?!三五が説教するって何?!?!最高!!!

河野さん、きっとライビュではほとんど抜かれないの知ってるから、5月もう一回ちゃんと観る…すき…

ちなみに髑髏城脱出のとき、三五も清十郎さんも、ちゃんと沙霧と太夫を後ろに庇うの最高にすきです。

わたしワカで三五すきになって、ヒトイヌ(シレンとラギ)で撃ち抜かれた人間なので、もう河野さんだいすきでだいすきで、金にいちゃん(五右衛門ロックIII)なんかもうずっと好きがあふれてたんですけど、あのひと一回も会えたことないのね。だから5月はお手紙をね…初めて書いてみようかと思います…

 

 

清十郎がズルすぎるだろう

本チラシから話題の川原さん、まさか、まさか、七人に入れてもらえるなんて、(わたしたちの)夢みたいな展開…!!!しかも超オイシイ役回り…最高かよ…

あんなに強く美しい太夫を「お守りします」って言えるのほんと川原さんくらいだから…強くて渋くて寡黙で…えっ…すき…(語彙力がない)

そっと無界を守る用心棒で、たまに太夫の酒の相手をして、涙と弱音と本音を知る唯一の存在であってほしい…すき…結婚してほしい…太夫と幸せになれるかな…忍びって山の民に含まれるんですかね?含まれるならアリじゃないですかね?キャラクタが根付く未来を感じさせる極髑髏〜〜ずるい〜〜

 

今回かなり下手側から観たし、座席ガチャまあまあハズレだったので未確認なんですけど、広角無界で浅葱の短刀を白羽取りするの、清十郎さん?遠かったし歩いてるとこ見れなくて判別できてないんですけど…もしそうだったら登場シーンからずるい…

これまでに存在しなかったキャラクター。お上に仕えていたのに、最後は草の根側に加わるって…これまで存在しなかったファクター。太夫(捨之介)の過去もヒミツも知っているひとがこれからも側にいてくれる心強さ…捨ててもたまに思い出してしまう過去は、きっと清十郎が一緒に背負ってくれるよ…嗚呼、劇団員がとにかくオイシイ極髑髏!すき!爽やか!夢ちゃん案件以外は爽やかに感想書ける!わーい!円盤早く〜〜!

 

 

脚本演出が天海姐さん好きすぎる

とにかくいのうえさんと中島さんが「天海さんにやってほしいシーンをいかに盛り込むか」に執心した脚本だったように感じました。

もうね、当たり前すぎて改めて言う必要を感じないけど、あえて言うね。天海祐希って最高。

いちばんのポイントは劇中ぐるぐるですよね、太夫は手前で立ってるだけのやつ。あれできる俳優ってそう居ないでしょ!立ってるだけで絵になるんだよ!!!ふたりが天海さんのそんなところが大好きだから、蒼の乱と同じパターンになるのは仕方がない…あんなふうに関東の風を浴びても仕方ない…

しかもこの美しく強い太夫、蒼乱はひとりぼっちだったけど、今回は仲間に囲まれて、とても幸せでしたね…ずっと清十郎さん側にいたしね…沙霧も兵庫も信用出来たし。

 

白拍子って設定もこれまでにないよね。ちゃんと春を売ってる太夫と無界。やっぱりカゲの情報を掴むためになりふり構わずって感じかな。そう、今回の無界は夢ではなく春を売っています…いや、夢ちゃんが売られてるからある意味夢が売られてるのか?!?!とにかく、無界ガールズがこれまでになくふしだらで素敵でした。ペロペロキャンディ舐めてたり、足開いて座ってたり、誘惑してたり、ああ、ここは色街だあ…!って。

女が選ぶ云々も無かったですよね。男が選ぶのではなくて、選ばれる側にも男がいるからか。でもきっと再建した無界は春を売らずに夢を売る無界なんだろうな!!!極楽太夫のいる無界は、きっと女たちが選ぶんだろうな…

 

 

兵庫が史上最強に自立している

だって!無界が落ちても、血が上った頭を冷やしてくれて、正気に戻してくれる太夫はもういない…たったひとりで子分みんなの名前を呼んで、一人で飲み込んで、一人で「よくやった!」にたどり着くことができる兵庫めちゃめちゃ強くない?!だって裏切ったの、蘭兵衛じゃなくて夢三郎だよ?!いけすかねぇ無界の主人じゃなくて、兄弟の契りを結んだ、一緒に無界を守ってきた、夢の字だよ?!兵庫ったら、太夫ポジションじゃないか!と思ったら、あらためていままでの太夫ほんと強いよね…裏切られて仲間殺されて、その上で兵庫励ましてるんだもんね…

 

極髑髏の兵庫は強い。そう。太夫にフラれ続けるヘタレでおバカな兵庫じゃない。(いや、バカだけど)強くてまっすぐな漢なんだよね。信じた道を信じ抜いて、ひとりで夢の字とのケジメつける、強い漢なんだよ。

いちばんスクラップアンドビルドでごちゃ混ぜになったのは兵庫なのかもなあ。なんか、存在意義があまり無い気がして。(居なくなったら困るけどね?)これまでは髑髏城に乗り込むときに沙霧が無茶を頼む相手であり、太夫を救ってあげる存在だった。でも、しあわせになるルートを全て失った兵庫…夢ちゃんを倒すためだけに存在する兵庫…太夫は振り向いてくれる要素無いし…無界再建でセルフで救われてくれるのほんといい子だよ…

 

 

天魔王とは一体何だったのか 

ねえこれついこの前ようやく月で消化したとこなんですけど…また書かねばならぬよ…このセクションは完全に考察なので苦手な方はスクロール!

 

まずはさ!これまでの!!!人の男要素が!!!夢ちゃんに振られてた問題!!!夢虎お前完全に人の男ではないか…プライドが高くて、理想が高くて、野心が強くて、認めてもらいたくて…人の男じゃないか…

道具として使われることに、自分の自我を持たないことに価値を見出して、使い手を崇拝して…崇拝した相手の目論見通り死ねることに喜びを見出すタイプの人の男。使い手のために若衆太夫として完璧に周りを欺くことにプライド持てるタイプ。

天魔王はというと、あいつはノブナガでしたね。影武者だというコンプレックスを持っていない、自信あるタイプの影武者。圧倒的カリスマな信長ではなくて、カゲが戦略も一緒に考えてたんだろうなあ。いつ成り代わってもおかしくないのに、カゲはあくまでも影で、子も持ってはいけなくて、表舞台には出られない。コンプレックスじゃなくて、なんでお前だけが、という妬みと出世欲と自信にまみれた新しい天魔王…

ぐるぐる走馬灯のところで、極楽に向かって数歩踏み出した天魔王がまたね!お前、それ、本音?!??極楽に惹かれてたんだとしたら、カゲをひとりの能力ある人物として認めて、対等に議論を交わせた女性だったんだと思うんです。それなのに、彼女を手に入れたのは信長。と、思ってたわけでしょ。夢虎の母親は、お蘭に似てたのかもね…お蘭の代わりに、子供という駒を手に入れて、その駒を使っていつかお蘭を手に入れようとしてるんだよ…うおー陰湿!(褒めてる)

だってそうじゃないと8年待つ意味がないんだもん!天下があと一息で成りそうになって、そこで失う辛さを思い知れっていうのは、完全に信長自身の恨みで、そこまで待って実行するには暗殺が必要で、そのためにはお蘭が必要なんだもん。

だから夢虎はお蘭のニセモノで、つまりこれまでの人の男なんだよな。捨之介って影武者がいないから、天魔王は唯一て絶対的なノブナガの代役なの。うー…しんどい…

お蘭は信長という存在を完全に消し去ることで、ようやく過去を捨てられるのです…

 

 

その他、三途の川に捨之介ェ!

・見栄の手前の兵庫の台詞聞いた瞬間悟った口上。やられましたね…ずるいぜ…シルエット最後なのほんとずるい。

・あにさがどうしても狸穴にしか見えなくて笑う。このひと、しれっと2周してるのもっと笑う。兵庫がしっかりしてるから、あにさも相対的にしっかりしてたのかね。

・あにさネタでもうひとつ。米届けるっての最高な?!農民であることの自負最高な!!!

・黒平がすきです。

・おすずがすきです。

・極髑髏に沙霧の成長ストーリーは存在したのか?太夫を救う役割ってことでいいのかな?

・でもとにかくかわいいからオールオッケー

・カンテツがアオドクロネタをしこたま抱えて飛び込んできたから腹抱えて笑った。焼き鳥!

・ミュージカルのところはもうほんと、新感線!ネタ!最高!だけど花鳥風月で廻ってきた人にとっては初めてのネタもの…大丈夫かな…これが通常運転ですよ…むしろマシなほうだよ…

・無界のセットがまるっと変わっててすごい!階段にも「む」のマーク入ってて、二階が繋がってて、とにかくすごい…広い…広角舞台使いもすごい…でも無駄な回転も多い…けど広角しゅごい…

・TLでもお見かけしたけど、女性の居ない髑髏党、認めた女は極楽だけって天魔王の歪んだ愛がエモい…

・はじめてパンフと戯曲本以外のグッズを買いました。全髑髏制覇したボトルと、使い道を一切思いつかない升〜〜!なにに使うんだ!(一滴も呑めない下戸)

・ 短辺綴じA4パンフ…持ち帰りやすい…!鞄に入る!

・そしてパンフ、それぞれのキャラクタの口上が最高だ…虎って…言った…

 ・帰宅してグレンラガンを見始めると中島脚本にカウンター喰らって死ぬ。3日で10話まで観ました…カミナ…兵庫だ…

 

 

大丈夫あと2回ある…

いろんな衝撃でポロポロ記憶がこぼれていくんですけど、大丈夫あと2回ある…

チケット増やしておいて本当に良かった…皆さんのレポ読んだ上で、ちゃんと別人だって理解した上で、もう一回観るぞ〜〜

 

あと、戯曲本もまだ読んでないので、読んだらまたなにか変わるのかな。ライビュまでに読まねばならぬ。そしてライビュまでにアオをもう一周せねばならぬ。

 

ちなみにメタルマクベスはDisc1は一旦見送ってるんですけど、Disc2の予習で尾上松也の滝の白糸を観ました。歌舞伎の沼は一歩目が深いので足踏みしてたんですが、歌舞伎沼の友人に右足を掴まれているので、おそらく半年以内にズブズブになります。一等席高いよね…若輩者には一幕見席で十分ですけど、これも東京にしかないんだよな!!!

 

足元には至る所に沼が広がっている髑髏城、足元にはくれぐれもお気をつけくださいまし…